
基礎杭の設計・施工
環境対応工法とは?
循環型社会の構築が求められる中、私たちが目指すべき理想の杭工法とは、どのようなものでしょう。周辺環境への負荷が小さい、つまり杭工事にともなって周囲に及ぼす迷惑が極力少なく、建設残土や産業廃棄物を出さないこと、杭の施工品質が確かで、期待される性能が常に発揮されること、費用対効果が高いこと、などが挙げられます。環境対応工法とは、このようなポテンシャルを持った工法と言えます。
弊社は、20年以上にわたり翼付き鋼管杭の回転貫入工法に取り組んで来ました。低騒音・低振動は勿論のこと、セメントや水といった副材料を一切、使用しない完全無排土施工を実現しました。杭の性能についても、翼の効果で大きな鉛直支持力が得られ、鋼管杭の優れた耐震性と併せ、高い費用対効果が期待できます。翼付き鋼管杭の回転貫入工法は、環境対応工法と呼ぶに相応しい基礎杭工法です。
弊社は下表に示す多彩な環境対応工法を保有しており、設計・施工・地盤の諸条件に応じて最適な杭仕様を提案します。これらの他にも、他社との連携によって産まれた、つばさ杭、ねじ込み式マイクロパイル工法も展開しています。
千代田工営の環境対応工法
工法名 |
K・WingZパイル |
T・Wingパイル |
スクリューパイルEAZET |
MAXパイル |
ホームパイル
キャリー |
杭概要 |
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杭径
(mm) |
114.3〜406.4 |
114.3〜267.4 |
114.3〜355.6 |
114.3, 139.8 |
76.3 |
翼径
(mm) |
250〜1,000 |
250〜650 |
250〜800 |
350, 500, 700 |
230, 280 |
翼 数 |
2 |
4 |
1 |
1 |
2 |
翼形状 |
らせん |
らせん |
らせん |
スカート状 |
らせん |
先 端 |
開放 |
閉塞 |
閉塞 |
閉塞 |
閉塞 |
長期支持力
(kN) |
〜2,100 |
〜575 |
〜1,200 |
〜200程度 |
〜50程度 |
特長 |
先端開放と翼の効果により強固な地盤にも貫入が可能で、大きな支持力を期待できます。 |
比較的緩い地盤でも効率良く支持力を獲得できます。既設基礎の耐震補強杭としても活用されています。 |
わが国における翼付き鋼管杭の草分け。杭仕様が豊富で、幅広い構造物に適用できます。 |
軟弱地盤における小規模構造物に、経済的に不同沈下抑制を図ります。 |
ポータブル式施工機を分解・搬入し、現地で組立てて施工することも可能です。 |
適用地盤 |
砂質土、礫質土 |
砂質土、粘性土 |
砂質土、粘性土 |
砂質土、粘性土 |
砂質土、粘性土 |
適用N値 |
20≦N≦60 |
N≦20 |
15≦N≦60 |
N≦15程度 |
N≦15程度 |
適用構造物 |
中層建築物 |
中低層建築物 |
中低層建築物 |
小規模構造物 |
小規模構造物 |
仕様設計から性能設計へ−パイルドラフト基礎の提案
国土交通省は、国際的な標準化の流れを受けて、各種構造物の設計基準類の、仕様規定型から性能規定型への変更を図っています。平成13年の建築基準法改正も、その一貫です。また、日本建築学会でも、性能設計の考え方を採り入れた形で『建築基礎構造設計指針』を改訂しています。
性能設計では、基本的に材料や構造物が満たすべき性能だけを規定するので、より柔軟な設計が可能になります。例えば、直接基礎(ベタ基礎)に少数の摩擦杭を併用し、沈下を制御することを目的としたパイルドラフト基礎などは、設計上、沈下を許容しようとするもので、性能設計の考え方に即した合理的な設計法と言えます。
弊社は、パイルドラフト基礎に関する共同研究を通して現場試験や計測を実施するとともに、簡易解析プログラム”PIAS”(室蘭工業大学、地盤・構造研究室)を用いてパイルドラフト基礎の沈下解析を行っています。
パイルドラフト基礎は、「ラフト(スラブ)だけの直接基礎では、設計上、求められる性能を満たせない場合に、少数の摩擦杭を併用することで支持力性能を高めるとともに、沈下量・ラフト厚さを経済的に軽減する方法を提供」するものです。
“PIAS”による解析例
例として、以下の荷重条件・地盤条件に、杭長・杭本数を変化させてT・Wingパイルを配置した場合の解析結果を示します。一般に、パイルドラフト基礎では、やや長めの杭を適切な本数、配置することが、沈下量の抑制に効果的です。

