COLUMNスクリューパイルCK-®EAZET(イーゼット)の開発エピソード

当社が開発した回転貫入させて地盤にねじ込む鋼管杭工法は、コンクリート杭工法と比べて残土が出にくいという特長があります。そして、この回転貫入鋼管杭は当社の創業者が開発し、日本全国の自治体や個人住宅などで採用されるようになりました。

主力製品である鋼管杭工法は、一般にEAZET(イーゼット)という名称で知られるスクリューパイルCK-®EAZETです。鋼管工法とCK-®EAZETがどのようにして生まれたのか、開発エピソードをご紹介いたします。

騒音と振動の苦情

当社は、1970年に創業してから、もともとコンクリート杭を専門とした地盤基礎工事の施工会社でした。個人向けの住宅から鉄筋コンクリートの建物まで、さまざまな建物の地盤基礎工事をしていました。

あるとき、住宅街でコンクリート杭を施工していたときに、近隣から騒音と振動の苦情がありました。当時の社長は、「騒音と振動があったのでは、近隣にご迷惑をかけるので工事ができない。何かいい方法がないだろうか?」と悩みました。また、アースオーガという機械で地中に孔を開ける工法の場合は大量の残土が出てしまいます。それも何とかならないかと考えました。

発想は木ネジ

ある日、ふと木ネジを見たときに、「杭を打ち込むのではなく、木ネジのように回転させて杭の貫入ができないだろうか?」というアイデアを思いつき、金属のパイプに羽根を溶接して現場での試験を開始しました。

当初は、杭をぐるりと周る羽根ではなく、小さな羽根を取り付けることから始め、最適な羽根の形状などを模索し、何度も試験を繰り返しました。試行錯誤の中で、やっと貫入ができる形・寸法を発見しました。

特許と載荷試験による大臣認定の取得

それまでの杭は、打ち込んだり埋め込んだりする工法でしたが、“ねじ込む施工方法”ということで1982年に特許を申請、1984年に取得しました。

開発した羽根付きの鋼管杭に対して、多くの載荷試験を行った結果、支持力の上でも効果が高いことがわかりました。その成果を建築学会で発表するとともに、建築基準法にない新しい既製杭工法として公的評価を申請し、1994年に大臣認定を取得しました。

T-Wing4パイルは、有明海などの軟弱地盤で採用され、その実績が認められ、全国の地方自治体でも採用されるようになりました。

鋼管杭の種類と選び方

建物の規模に依りますが、通常の地盤であればCK-®EAZETを、軟弱地盤には4枚羽根のT-Wing4パイルが適しています。

また、硬い地盤を貫いてその下にある支持地盤まで鋼管を到達させたい場合を想定してK-WingZパイルを開発しました。「最終的な杭」ということで名称にZが付いています。硬い地盤に鋼管杭を貫入させるためには、トルクが大きくなるので、K-WingZパイルは先端の抵抗を小さくするために、先端をふさいでいない開放構造としています。礫質土の地盤で多用されていて、ご利用者から「K-WingZでないともたない」とよく言われますように、大きな支持力が採れる利点があります。

以上、スクリューパイルCK-®EAZET(イーゼット)の開発エピソードと他工法についてまとめました。鋼管杭による地盤基礎工事なら、鋼管杭工法のパイオニア、千代田工営にお任せください。